「やーにんじゅ」という言葉を聞いたことはありますか?
珍しくてあまり聞きなれない方が多いかもしれませんが、実は沖縄の方言なんです。
沖縄といえば、きれいな海や可愛いシーサーと同じくらい沖縄弁も魅力的ですよね。
「ちゅらさん」や「めんそーれ」は有名ですが、今回は「やーにんじゅ」についてその由来や意味を深堀していきます。
「やーにんじゅ」について理解が深まったらぜひ実際に会話でも使ってみてくださいね。
「やーにんじゅ」の意味と使い方を徹底解説

「やーにんじゅ」の意味は「家族」です。
やーにんじゅと家族の響きは全然違うのに、どうして家族を意味するのでしょうか。その由来から見ていきたいと思います。
やーにんじゅの由来は?
家人数からやーにんじゅ=家族となったようです。
沖縄の方言で「やー」が家という意味なので、やー〇〇という沖縄の方言が複数あります。
興味のある方はぜひほかの沖縄弁も調べてみてくださいね。
やーにんじゅの具体的な使い方、例文、返事を解説
ここではやーにんじゅの具体的な使い方、例文を紹介していきます。
- 家族を紹介するとき
- わったー やーにんじゅ やいびーん。
- (わたしたちの家族だよ)
- 会話の中で使うとき
- 「きゅうやん、どぅこーいくんや?」(今日はどこかに行くの?)
- 「やーにんじゅでうみぬいくんさー」(家族で海に行くよ)
- また、家族数を数える数詞としても使います。
- その際は、たやーにんじゅ(2家族)、みやーにんじゅ(3家族)と数えます。
沖縄の人は「やーにんじゅ」を使う?

沖縄の方言に詳しい方は知っているかもしれませんが、「やーにんじゅ」は日常会話でほとんど使われていないようです。そして実は、現在沖縄の方言である「しまくとぅば」自体が使われなくなってきているのです。
その原因は以下の歴史的背景によるものです。
- 明治期の「方言取締令」
- 昭和期の標準語強制や「方言撲滅運動」
- 沖縄戦の人的・文化財等の被害による地域の伝統行事等の衰退
- 戦後の米国統治によるアメリカ文化の浸透
そして今、「しまくとぅば」の衰退が沖縄の琉球舞踊などの伝統文化の衰退に繋がるのではないかと危惧されています。そのため、自治体や学校などで「しまくとぅば」を普及する取り組みが行われています。
今の若い人たちは「やーにんじゅ」は使わない
2021年度に「しまくとぅば県民意識調査」が行われ、以下のようなことが分かりました。
沖縄県民が「しまくとぅば」を日常で使うかという質問に対し、「使う」割合が過去最低の28.6%に落ち込み、特に10代は20.7%と最も低い値でした。
若年層は「分からない」「使う機会がない」などが主な理由で、日常的使用の減少が顕著となっているようです。
「やーにんじゅ」を使う年代や地域
「しまくとぅば」を使う頻度が10代で最も低い値だったと上述しましたが、反対に最も使うと答えた世代は70歳以上で39.0%となっていました。
理解度も同様に10代で低く、70歳以上が高い値となっています。
このことから、今の若い人は沖縄方言をあまり知らず、日常会話でもあまり使っていないことが分かりました。
地域別では、最も使用頻度の高い地域が宮古地区で、最も低い地域が八重山地区でした。都市の多い南部や中部で方言が少なくなり、伝統的な暮らしが残っている北部では方言が話されているようです。
「やーにんじゅ」が使われている映画やドラマのタイトルやシーン

RBCiラジオ琉球放送で行われたRBCiラジオまつりのタイトルで使われていました。
「旧盆特別番組 やーにんじゅ 大集合」というタイトルですが、「旧盆特別番組 家族大集合」という意味になりますね。
RBCiラジオ琉球放送では、パーソナリティがしまくとぅばで話しながらリクエストがあった民謡を流す番組もあるようです。
ラジオまつりの動画は公式YouTubeでもアップされているようなので興味がある方は観てみてくださいね。
「やーにんじゅ」は店名などにも使われている

「やーにんじゅ」は沖縄を代表するシンボルとしてお店や物の名前など様々なところで使われているようです。
その中のいくつかをご紹介していきます。
沖縄居酒屋 やーにんじゅー
まず、1つ目はお店で使われている例です。
沖縄でもいくつか店名に使われていましたが、こちらは徳島県の居酒屋さんです。
沖縄料理をはじめ、泡盛は種類豊富にそろえてあるそうです。沖縄に行かなくても、沖縄の郷土料理やお酒を楽しみながら沖縄にいる気分を味わえるのは最高ですよね。
下にお店の情報のリンクを貼っておきますから気になったら一度訪ねてみてはいかがでしょうか。
「沖縄居酒屋 やーにんじゅー」
〒770-0914 徳島県徳島市籠屋町2丁目15−1 斎徳ビル 2階
https://maps.app.goo.gl/7yicoXF3sBoRWkWX6
お土産で使われている事例
沖縄の食品から民芸品まで扱うネット通販サイトが「家族人(やーにんじゅー)セット 1kg」という名前で、八重山かまぼこのギフトセットを出していました。
内容は以下のようになっています。
【内容】(真空パック包装)
マルーグヮー、たらし揚げ(人参ゴボウ・アーサ・もずく・にんにく・ゴボー)
三日月かまぼこ、おにぎりかまぼこ(黒米、ジューシー)
※特定原材料として卵を含んでおります。
【賞味期限】約25日 ※要冷蔵
全国かまぼこ品評会の農林水産大臣賞を2度も受賞した実績のある「マーミヤかまぼこ」が作る地元の人やお土産にも好まれるかまぼこです。一つずつすべて職人さんの手作業で作られているそうです。1㎏もはいっているそうなので、家族(やーにんじゅ)で楽しめそうですね。
その他で使われている事例
沖縄のタクシー会社の会社名で使われていました。
石垣市で経営されている介護タクシー会社です。
「やーにんじゅ」にまつわるエピソード
「やーにんじゅ」についておもしろいエピソードは見つかりませんでした。
また新たにエピソードを見つけた場合はすぐ更新します。
まとめ

今回、沖縄方言の「家族」「やーにんじゅ」について言葉の由来や使われ方など深堀してお伝えしました。
昨今衰退している沖縄の方言ですが、親しみやすく沖縄のシンボルでもある「しまくとぅば」を次世代に継承していってほしいですよね。
沖縄に行った際には「やーにんじゅ」を使って家族の紹介をしてみてはいかがでしょうか?現地の方とより親しくなれるかもしれませんよ。