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【沖縄方言】ちょーでー意味は「兄弟」使い方、由来も解説

沖縄の方言、「ちょーでー」の意味を知っていますか?

沖縄の有名な言葉である「ちばりやちょーでー」でご存じの方もいるかもしれません。
音の響きでは想像できない、様々な言葉がある沖縄の方言。

ここでは「ちょーでー」について、言葉の由来や意味など深堀りしていきます。

「ちょーでー」について理解が深まったらぜひ実際に会話でも使ってみてくださいね。

「ちょーでー」の意味と使い方を徹底解説

「ちょーでー」は沖縄で「兄弟」という意味です。

先ほど紹介しましたが、沖縄には「ちょーでー」を使った有名な「いちゃりばちょーでー」という言葉があります。「いちゃりばちょーでー」の意味は「行逢りば、兄弟」で、すなわち「一度出会えば兄弟」という意味です。これは沖縄の肝心(心、精神)を表現し、人とのつながりを大切にする気質を表す代表的な言葉です。

出会えば兄弟をテーマにした沖縄民謡の「兄弟小節(ちょうでぇぐゎぶし)」も同様に沖縄では有名です。

ちょーでーの由来は?

由来ははっきりと分かりませんでしたが、「いちゃりばちょーでー」の、一度逢えばみな兄弟みたいなものだという考えは、沖縄の戦争やアメリカ軍支配といった悲しい歴史の中で助け合いの精神が生まれ、根付いたものであると言われています。

ちょーでーの具体的な使い方、例文、返事を解説

ここでは「ちょーでー」の具体的な使い方や例文を見ていきます。

  • 「ちょーでー」の使い方
    うんじょーちょーでーうが?
  • (あなたは兄弟いるの?)
  • いー、たいちょーでーやさ。
  • (うん、二人兄弟だよ。)
  •  
  • 「ちょーでー」の例文
    あぬっちゅとわんねーちょーでーやいびーん。
  • (あの人と私は兄弟です。)

沖縄の人は「ちょーでー」を使う?

悲しいことに、現在ちょーでーはあまり使われていないようです。

「ちょーでー」を含む沖縄の方言を「しまくとぅば」と言いますが、実は昨今衰退している言語の一つです。平成21年には、ユネスコ(国際教育科学文化機関)により、消滅の危機に瀕する言語に指定されているほどです。

「しまくとぅば」は組踊や琉球舞踊、沖縄芝居と並ぶ沖縄文化の象徴でもあります。

この重要な沖縄の文化を消滅させてはいけないと、今沖縄の自治体や学校で普及の取り組みが行われているようです。

今の若い人たちは「ちょーでー」は使わない

2021年度の「しまくとぅば県民意識調査」では、県民で「使う」割合が過去最低の28.6%に落ち込み、特に10代は20.7%と最低でした。このことから、県民全体でしまくとぅばの使用頻度が減少していますが、特に今の若い世代がしまくとぅばを話していないことが分かります「分からない」「使う機会がない」などが主な理由でした。そのため、沖縄県は2006年に9月18日を「しまくとぅばの日」に制定し、沖縄の文化の基盤である「しまくとぅば」を次世代に継承していくために学校の総合学習でしまくとぅばを取り上げるなど、普及の取り組みを行っているそうです。

「ちょーでー」を使う年代や地域

現在、沖縄の方言「しまくとぅば」は徐々に使われなくなってきていると上述しました。

「しまくとぅば県民意識調査」で最もしまくとぅばの使用頻度が高い世代は70歳以上となっています。ただ、「使う」の回答が多かった60代や70歳以上でも「あまり使わない」「まったく使わない」を合わせた割合が約6割に上っていました。

このように、しまくとぅばの話し手が減少している一方で、「親しみを持っている」と答えた割合は70%以上となっています。

日常会話でなじみはなくなっていますがしまくとぅばに対するポジティブなイメージは根強いようです。

このことからも、沖縄の貴重な文化財であるしまくとぅばを絶やさず継承していく必要性を感じます。

「ちょーでー」が使われている映画やドラマのタイトルやシーン

「ちょーでー」を使った有名なエピソードとして、NHKの朝の連続テレビ小説「ちむどんどん」の87話での使用が挙げられます。

賢秀と良子が、暢子と和彦の結婚を認めてもらおうと母重子の説得に挑みます。しかし、賢秀が重子を「こんなおばさん」と呼んでしまい、良子も母をけなされたことで怒鳴り返すなど、二人の行動が裏目に出てしまいました。賢秀は最後に「おばさんにはいちゃりばちょーでーの心がないわけ」とすがるものの、けんか別れのような形で説得は失敗に終わります。

「一度会えば皆きょうだいのようなもの」という沖縄のことわざを通じて、賢秀が沖縄ならではの思いやりの心を伝えようとしたものの、結果的には相手に響かず、説得はうまくいかなかったというシーンです。

「ちょーでー」は店名などにも使われている

「ちょーでー」は沖縄を代表するシンボルとしてお店や物の名前など様々なところで使われているようです。

その中のいくつかをご紹介していきます。

ちょうでー居酒屋

まず、1つ目はお店で使われている例です。

いちゃりばちょーでーが店名に使われている例が多数ありますが、ここではちょうでーが使われているお店を紹介していきます。

ゴーヤチャンプルー、らふてーなど沖縄の郷土料理や沖縄のお酒を提供する居酒屋さんです。海ぶどうは現地沖縄で食べたものよりおいしかったという口コミもありました。大阪にいながら本格的な沖縄料理とお酒を楽しめるのは最高ですね。

下にお店の情報のリンクを貼っておきますから気になったら一度訪ねてみてはいかがでしょうか。

ちょうでー居酒屋
〒534-0001 大阪府大阪市都島区毛馬町2丁目3−14 居酒屋ちょーでー
https://maps.app.goo.gl/T5qpECCg53yFZhWUA

お土産で使われている事例

「ちょーでー」がお土産で使われている事例は見つかりませんでした。

「ちょーでー」に関する新たな情報が入り次第情報を更新します。

その他で使われている事例

ライブやイベント、音楽祭などの名前で使われていました。

内容は沖縄出身のアーティストが一堂に出演してライブをしたり、沖縄のうたを合唱団が歌ったりするものです。

どれも、みんなが沖縄のカルチャーを体験できるようなイベントとなっています。開催されたイベントや音楽祭の例として、以下のものがあります。

  • いちゃりば vol.2 Supported by Ray-Ban(2024年8月9日、渋谷のMIDNIGHT EAST /東間屋)
  • いちゃりばちょーでー音楽祭(2024年11月17日、大阪府豊中市庄内「176BOX」)
  • いちゃりばちょーでー 一度会えば、みんな兄弟!(2023年2月19日、タワーホール船堀)

「ちょーでー」にまつわるエピソード

「いちゃりばちょーでー」は「一度会えばみな兄弟」という意味で、沖縄の人々の思いやりの精神を象徴する言葉として広く知られています。この、人とのつながりを大切にする心をそのまま歌にした琉球民謡が「兄弟小節(チョウデーグヮーブシ)」です。

この唄の歌詞には、こんなエピソードがあります。

戦後、作詞家で琉球民謡歌手の前川朝昭さんが沖縄のメインストリートである国際通りを歩いていたとき、偶然戦友に出会いました。その際に交わした言葉が、そのまま歌詞となったと伝えられています。

歌詞は5番まであり現代語に訳すると以下のようになります。

【現代語訳】

兄 弟 小 節

  1. 巡り会えるのなら兄弟 巡り会えれば友だよ 共に語り合い、さあ楽しもう
    ※ 出会えば兄弟だろう、何の隔てがあるものか 言いたいこと、語り合おう
      出会えば兄弟だろう、何の隔てがあるものか 言いたいこと、語り合おう
  2. 覚えてる昔を 振り返ってみれば 懐かしくて 分かち合いたくもなるだろう
  3. 嵐世の中も それぞれで漕ぎ渡ってきたから 又出逢える時が来るなんて 嬉しいんだ
  4. 久しぶりの友との再開に どうして別れることができようか 夜が明けて太陽があがるまで
  5. 互いに注ぎ交わす この盃に かつての愛するひとの姿が映る

現在、前川さんの出身地の与那原町の東浜には「兄弟小節」の歌碑が建てられているそうです。訪れた際にはぜひ一度見てみてくださいね。

まとめ

今回、沖縄方言の「兄弟」「ちょーでー」について言葉の由来や使われ方など深堀してお伝えしました。

「いちゃりばちょーでー」は一度会えばみな兄弟という沖縄の温かい県民性が現れていますね。

沖縄の方言は現在衰退しているとお伝えしましたが、ドラマなどでも使われており、今後の普及を見守っていきたいです。