沖縄方言をいくつ知ってますか?沖縄方言は沖縄で生まれ育った人々にとってかけがえのないものです。
沖縄の人々が方言で話しているのを初めてきくと、ヤマトゥ(沖縄以外の日本のこと)が聞くと、何をいっているのかさっぱりわからないかもしれません。外国にでも行っているように感じるでしょう。
でも、沖縄方言は英語などのような外国語とは違います。例えばドイツ人が英語を学ぶ時には、自然とわかる部分が多いのです。それは、英語とドイツ語が同じ系統の言葉で、元がつながっているからなのです。
ヤマトゥの言葉と沖縄方言もそれと同じです。よく聞けばなんとなくわかったり、説明を聞けば、納得できることも多いですよ。
沖縄方言=うちなーぐちは、標準語に移行していく過程で「ウチナーヤマトゥグチ」とも呼ばれました。それを知ってれば、覚えやすいかもしれませんね。
今回は、沖縄方言の中でもとても素敵なお祝いの言葉、「いい そーぐゎち でーびる」は「あけましておめでとう」に意味について、詳しく解説していきますね。
「いい そーぐゎち でーびる」の意味と使い方を徹底解説

「いい そーぐゎち でーびる」は、沖縄の方言(うちなーぐち)で「良い正月です」という意味の新年の挨拶です。これは標準語の「あけましておめでとう」に相当する表現です。
ここで、「ウチナーヤマトゥグチ」にあわせて、説明していきますね。
意味
「いい そーぐゎち でーびる」は以下のように分解できます。
・いい:良い
・そーぐゎち:正月
・でーびる:です
つまり、直訳すると「良い正月です」となり、新年を祝う挨拶として使用されます。なんとなくわかってきたでしょうか?
いい そーぐゎち でーびるの由来は?
沖縄本島中南部の沖縄方言は 「ウチナーヤマトグチ」と呼ばれていて、日本語に似ているところが多いです。いい そーぐゎち でーびるは、「良い正月です」=「あけましておめでとう」の意味になるんですよ。
沖縄でも、現在は新暦の正月が主流ですが、以前は旧正月を祝う習慣がありました。糸満や離島など、特に漁村の地域では今でも旧正月を祝う習慣が残っています。
いい そーぐゎち でーびるは、新暦の正月でも旧暦の正月でも新年の挨拶として使える、とても素敵な祝いの言葉です。
いい そーぐゎち でーびるの具体的な使い方、例文、返事を解説
ここまで「いい そーぐゎち でーびる」についてお話してきましたが、今度は具体的な使い方や例文について解説していきます。
「いい そーぐゎち でーびる」の使い方
この挨拶は主に以下のような場面で使用されます。
新年の挨拶:年始に人と会った際に使用。
新年の挨拶状:年賀状やメッセージカードに書く際にも適している。
公式な場面:沖縄の公共機関や企業が新年のメッセージとして使用することもある。
お正月に沖縄を訪れる際には「いい そーぐゎち でーびる」をいろいろな場所で使ってみてください!沖縄の人々とより親密なコミュニケーションをとることができますよ。
沖縄の人は「いい そーぐゎち でーびる」を使う?

「いい そーぐゎち でーびる」は沖縄の新年の挨拶として使われています。沖縄県民意識調査では、70歳以上の世代が最も高く、55.2%が沖縄方言を日常的に使用しています。
しかし、この表現の使用頻度は年代や地域によって異なります
今の若い人たちは「いい そーぐゎち でーびる」は使わない
年代別の使用としは、30代の若い世代では使用率が最も低く、27.2%にとどまっています。
若い人たちは、標準語の「あけましておめでとう」が一般的になってるようですが、沖縄方言に詳しい人は「いい そーぐゎち でーびる」を普通に使います。
「いい そーぐゎち でーびる」を使う年代や地域
沖縄県民意識調査の結果によると宮古地域が最も高い使用率を示し、51.5%が沖縄方言を日常的に使用しています。しかし、那覇市のある南部地域では使用率が最も低く、31.0%となっています。
「いい そーぐゎち でーびる」は主に高齢者層で使用される傾向が強く、若い世代では使用頻度が低いです。ですが、新年の挨拶として使用する人は各年代に一定数存在しています。
「いい そーぐゎち でーびる」が使われている映画やドラマのタイトルやシーン
お祝いの言葉ですので、様々な場所で使われていました。こちらから紹介できるのはほんの一部です。とても素敵な内容なので共有したいと思います。
映画やドラマではないのですが、無料ブログ「note」のタイトルで使用されていました。

作者は「樹寿々さん」。今年アップされてます。沖縄の正月の雰囲気が感じられる素敵な内容でした。気になる方は下のリンクから一読をおススメします。
「いい そーぐゎち でーびる」は店名などにも使われている
お店の名前で使われている事例
「いい そーぐゎち でーびる」は期間が限られている言葉のため、お店の名前で使われている事例は見つかりませんでした。
「いい そーぐゎち でーびる」に関する新たな情報が入り次第情報を更新します。
お土産で使われている事例
「いい そーぐゎち でーびる」はお土産で使われている事例は見つかりませんでした。
「いい そーぐゎち でーびる」に関する新たな情報が入り次第情報を更新します。
その他で使われている事例
◯「いい そーぐゎち でーびる」のタイトルで沖縄美ら海水族館のイベントで使われてました。

2018年に沖縄美ら海水族館は、「いい そーぐゎち でーびる」と銘打って、お正月イベントを行なってました。
福(ふく)にかけて様々な種類のフグを展示した水槽に、正月の飾りつけをしたり、干支に関連した生き物の標本やクイズ、上の写真のような正月限定のフォトパネルも作成して、素敵なお正月の思い出づくりに貢献したようです。
◯イラスト沖縄にお正月バージョンがありました。

イラストレーター「てくてくちんなん日記」さんのサイトには、可愛いイラストがいっぱいあります。興味のある方はサイトを覗いてみてくださいね。
○クリエイティブディレクター・編集者の相葉 大樹さんのサイトのタイトルに「いー そーぐゎち でーびる」(あけましておめでとうございます)が使われてました。

相葉さんは、沖縄移住応援Webマガジン「おきなわマグネット」で沖縄での仕事や暮らし・文化、遊びについての情報をいろいろと発信しています。特に沖縄の海が好きな方には興味深い内容が満載ですよ、 下にサイトを載せておきますね。
「いい そーぐゎち でーびる」にまつわるエピソード
「#いーそーぐゎちでーびる」とツイートすると…特別な絵文字が出現!
沖縄の新聞記者:琉球新報の玉城江梨子さんが2022年1月に旧正月にまつわる記事を書いてました。
記事によると、ツイッター社(今のX社)は「#いーそーぐゎちでーびる」「#ソーグヮチ」のハッシュタグをつけてツイートすると干支のトラをあしらった絵文字が表示されるキャンペーンを2月15日までの期間限定で実施していますとの事。

ツイッターの担当者が、沖縄でも旧正月を祝う習慣があることを知り、日本ゆかりのキーワードを今回はじめて追加したようです。
日本国内の言葉の登場(ひらがな・カタカナを使ったハッシュタグ)は初めてとなりました。担当者いわく「今回のハッシュタグをきっかけに、沖縄の皆様とつながるとともに、日本の多様性についても多くの方に知っていただきたいと思っている」と話していたそうです。
旧正月は中国のほか、台湾、シンガポール、ベトナム、韓国、北朝鮮、マレーシアなどでもお祝いされていますね。
世界的にも祝われている旧正月とともに、沖縄方言も大切にしていきたいものです。
まとめ

今回は、「いい そーぐゎち でーびる」は「あけましておめでとう」について解説してきました。
ツイッター(今はX)を通して、世界的に「いい そーぐゎち でーびる」の言葉が広まったことをしり、個人的にもとても誇らしい気持ちになりました。
現在、「沖縄県しまくとぅば普及センター」の活動によって、次世代へ継承されるような施策がいろいろと展開されています。
沖縄の方言と標準語が混ざった話し方の「ウチナーヤマトグチ」は聞き取りやすく、若い人にも伝わりやすい方言ですので、覚えて使ってみることをおすすめしますよ。
ぜひ、「ウチナーヤマトグチ」の「いい そーぐゎち でーびる」を新正月、旧正月に沖縄を訪れた際に、いろんな場所で使ってください。「あけましておめでとう」を言うかわりに使うと、楽しい旅行の思い出がつくれます。