沖縄を訪れたとき、現地の方々やお店の方と話すときに聞き慣れない言葉が多くでてくることでしょう。それは沖縄方言(うちなーんちゅ)といって沖縄の独特な言葉です。
沖縄方言は何となく分かるものから、「にふぇーでーびる」などよくわからないものもあります。今回は「にふぇーでーびる」の具体的な使い方や、由来、いろんなシーンで使われている沖縄方言を見ていこうと思います。
記事を読み終わる頃にはきっと沖縄に行きたくなっていることでしょう。
「にふぇーでーびる」の意味と使い方を徹底解説
はじめて「にふぇーでーびる」といわれても「なんのことだかさっぱり」ですよね。沖縄方言は初めて聞くとちんぷんかんぷんですが、意味や由来がわかるとなんともやさしい素敵な言葉なのできっと日常でも使いたくなることでしょう。
にふぇーでーびるの意味と由来は?
「にふぇーでーびる」とは沖縄で「ありがとうございます」を意味し、「ありがとう」は「にふぇー」といい、「ニ拝」が変化したもので「でーびる」は「ございます」の意味を持っています(残念ながらこちらの由来はあまり知られておりません)。丁寧なことば遣いになりますから、目上の方などにつかわれます。
では、同僚や友達にはどういう表現になるかというと「にふぇーどー」と変化します。これを知ってるだけで少し沖縄の言葉が詳しくなった気がしますね。
にふぇーでーびるを使った例文、具体的な使い方を徹底解説
ここからは「にふぇーでーびる」を実際に使った例文や使用例、返事はどういう言葉なのかを書いていきたいと思います。
■「にふぇーでーびる」の例文
・(誰かになにかしてもらったときに)にふぇーでーびる
(誰かになにかしてもらったときに)ありがとう!感謝します!
・(友達になにかしてもらったときに)にふぇーどー
(友達になにかしてもらったときに)ありがとうね!
■「にふぇーでーびる」の使い方
A「これ、あんたぬわすれもんさ。わすれんなよー」
(これ、あなたの忘れ物ですよ。忘れないでくださいね)
B「あー、たすかるさー!にふぇーでーびる」
(ああ、助かるよ!ありがとう)
じゃあ「にふぇーでーびる」にはなんと返せばいいのでしょう?
普段、私達は「ありがとう」と言われたら「どういたしまして」と返しますよね。結論から言いますと「どういたしまして」は「ぐぶりーさびたん」といいます。
「にふぇーでーびる」は知っている方も多いかと思われますが、「ぐぶりーさびたん」はなかなか返せる人は少ないのではないでしょうか。ここまでおぼえていると『うちなーんちゅ』から一目置かれる存在になれること間違いなしですね。
沖縄の人は「にふぇーでーびる」を使う?
さて、「にふぇーでーびる」の使い方はしっかり学びました。ですが実は今の若い方は「にふぇーでびる」を使わない人が多いといいます。沖縄で今何が起きているのでしょうか?
今の若い人たちは「にふぇーでーびる」は使わないその理由
ある日、知恵袋でこのような回答がありました。質問者さんは『「にふぇーでーびる」はどのようなときに使うのですか』と、すると回答はこのようなものでした。『「にふぇーでびる」なんて一部の年寄しか使いませんよ。9割以上が「ありがとう」です。』とのことです。
なんと今では「はいさい」や「にふぇーでーびる」は昔の言葉としてあるだけで現代人は使わないのがほとんどなのだそう。
このことは軽く次項でも触れますが、歴史などが複雑に関連していてとてもここでは扱いきれませんので、気になる方は検索してみてください。
「にふぇーでーびる」をよく使う年代
では、一体どのような年齢層の人々が「にふぇーでーびる」など昔の言葉を使うのでしょうか。
現代の沖縄の若者たちは、標準語と沖縄方言の混ざったいわゆる「ヤマトウチナーグチ」を使う人が大半であることがわかっています。
沖縄方言を「主に使う」「共通語と同じくらい使う」と答えた人は2018年に行われた県民調査によると、年代別で10代 10.7% 20代 13.5% 30代 15.5% 40代 17.1% 50代 18.9% 60代 44% 70代以上 59%ーとなっています。
このことから若者たちは必要性は感じているが、普段の生活で沖縄方言を使わない人が増えた結果となってます。
「にふぇーでーびる」が使われている映画や漫画の作品
「にふぇーでーびる」がタイトルなどに使われている映画やドラマ等は見つかりませんでした。
「にふぇーでーびる」に関する新たな情報が入り次第情報を更新します。
「にふぇーでーびる」は店名などにも使われている
ここからは、「にふぇーでーびる」がこんなところで?と思うような意外な場所で使われていたりお店やお土産など様々な場所で使われているのでいくつかご紹介していきます。
お店の名前で使われている事例
寿し処「にふぇーでーびる」
地元の方々が利用されているそうで名前の通りお寿司もありますが沖縄料理も取り揃えているようです、
口コミも好評でした。お店のホームページは残念ながらありませんでしたが下記のURLから詳細を知ることができます。
お土産で使われている事例
ギャグが効いてます「二へデービール」
「にふぇーでーびる」をもじって「二へデービール」!なんともギャグが効いてますが沖縄の南都酒造さんが製造されていましたが2016年10月1日にそれまで製造していた「二へデービール」から商品名をリニューアルされたそうで、このラベルはまぼろしとなってしまいました。売られていた価格は当時のブログなどを見ると350mlで¥500とお高めの値段だったようです。
その他で使われている事例
工事の看板に!
工事現場のこの看板「にふぇーでーびる」の過去形で「にふぇーやいびーびたん」、「ありがとうございました」です。ご当地看板はその他の地方でもたくさん見られますが工事の看板など他府県から来た人には伝わるのかな?と疑問に感じてしまいますね。
お金を下ろすたびに『沖縄感』あふれるー!
ほかにも、沖縄のコンビニエンスストアに設置されているATMには、沖縄方言による音声案内が提供されているものがあるようです。
・琉球銀行が沖縄本島のコンビニエンスストアやスーパーに設置しているATMでは、「はいたい、めんそーれ」(こんにちは、いらっしゃいませ)などの音声案内が提供されているようです。
・沖縄県石垣市のイーネットATMでは具志堅用高さんによる方言での音声対応が提供されているようです。
「にふぇーでーびる」にまつわるエピソード
続いては「にふぇーでーびる」にまつわるエピソードをいくつかご紹介思わず笑ってしまうものや心温まるエピソードなど2選
ほっこりエピソード①
ある秋の深夜、タクシードライバーのブログにて。
沖縄から大阪へ米津玄師のライブを見に来た若い男性二人がタクシーを拾いホテルまで・・・。すっかり仲良くなり、降りていくときに「にふぇーでーびる」といって去っていきました。運転手の方は最初何を言ってるかわからなかったそうですが、あとで調べたら「ありがとう」の意味だと知ったのだそう。
「にふぇーでーびる」って意味がわからないと戸惑ってしまいますが、わかってしまうと心がほっこりしますよね。
ほっこりエピソード②
沖縄の宝物を発信する商社に「ゆいまーる沖縄」という会社があります。会社の社長のブログより。
会社の給与袋には社内の感謝を伝えるための「にふぇーでーびるカード」を入れるようにしています。
社内で「ありがとう」を感じたらこのカードにメッセージを書いて「にふぇーでーびるボード」に貼ります。ボードに1ヶ月貼られたカードはメッセージを書かれたスタッフの給与袋に入れて渡されます。
こういう社内のルールってあったかいですよね。
まとめ
ここまで「にふぇーでーびる」からはじまって沖縄方言をつかった身近なものやエピソードをみてきました。
ことばが独特なので、いろいろなグッズや看板などに使われていて沖縄県の方々が方言を愛しているんだなと感じ取ることができましたね。逆に若い人は方言を使わないというデータもありました。
しかし、現地に行けばその土地のことばや文化があり、そこで生まれた人たちはその習慣や歴史を受けて育っている。だから会社のルールであったり、お店の名前やほっこりエピソードが生まれるのだと感じました。
沖縄は『しま』が集まった県で島ごとにことばや文化も少しずつ違っているので、現在に至るまで様々な進化を遂げてきました。そのなかで消えつつある沖縄方言、この機会にぜひ沖縄文化や方言について知ってみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただき、にふぇーでーびる。