沖縄方言で「ちゅらかーぎー」という言葉があることをご存知ですか?
標準語ではなかなかない響きですよね、しかし「ちゅらさん」や「美ら海水族館」などで知られる「ちゅら」の部分からなんとなく想像がつくかも知れませんね。
今回は、「ちゅらかーぎー」という言葉の意味や由来、使い方について詳しく解説していきます。
この記事を読めば「ちゅらかーぎー」という言葉の意味がわかったうえで、日常でもつかいこなすことができます。
「ちゅらかーぎー」の意味は、由来、使い方を徹底解説
結論からいいますと「ちゅらかーぎー」の意味は「美人」です。
こちらの言葉は沖縄県でもよく使われているようで、ニュースなどでも使われています。それにドラマで使われたこともあり、もしかしたら知っている方もいるかも知れません。
ちゅらかーぎーの意味、由来は?
「ちゅらかーぎー」を分解すると次のようになります
1,ちゅら :「うつくしい」
2,かーぎー:「容貌、顔、見た目、影形」
「ちゅら」が「うつくしい」と言われても。と思うかも知れませんが。
古語の「うつくしい」が「きよら」その「きよら」が訛って「ちゅら」になったと聞くと少し納得が行くのではないでしょうか。
「かーぎー」の部分もまた、顔と言われて疑問に思うことでしょう。こちらに関しての詳しいことはわかっていませんが、容貌、顔、見た目の他に影や影形の意味もあり、こちらから来ているとも考えられます。
このように沖縄方言では、古語を由来とする言葉が多く存在します。
ちゅらかーぎーの使い方は?
「ちゅらかーぎー」について勉強した後は「ちゅらかーぎー」の具体的な使用例や例文を見ていきましょう。
■「ちゅらかーぎー」の使い方
あの女性は誰?
(あの女性は誰?)
ああ、でーじちゅらかーぎーやっさ!
(ああ、とても美人だね!)
■「ちゅらかーぎー」の例文
くぬわらばー、ちゅらかーぎーやっさ!
(この子どもはかわいらしいな!)
映画の主演俳優、ちゅらかーぎーやいびーん
(映画の主演俳優、美人ですね)
ここで登場する「でーじ」は「とても」を意味し、日常会話でもよく使われます。また、「やいびーん」は「〜ですね」、「やっさ」は「そうだね」「〜だね」といった意味で、現代の沖縄でも頻繁に使われる表現ですから覚えておくと便利でしょう。
今の若い人は「ちゅらかーぎー」を使わない
「ちゅらかーぎ」を含む沖縄方言は一時使用を制限されていたために、沖縄方言の使用頻度が徐々に減少していきました。
その原因は以下の歴史的背景によるものです。
1、明治政府による標準語普及政策:明治時代に日本政府が国家統一と近代化を目指すため、標準語の使用を強力に推進しました。
2、学校教育における方言使用禁止:上記の政策のため、沖縄の学校では沖縄方言が厳しく制限されました。
3、言語的同化政策:これらの措置は、沖縄の言語や文化を日本本土のものに同化させようとする政策の一部でした。
4、社会的圧力:上記の政策の影響で標準語の使用が「正しい」とされ、方言を話すことが更新的であるという社会的な認識が広まりました。
これらの影響により、沖縄方言は一気
に衰退しましたが、現在では文化的な遺産として沖縄方言を復興しようとする動きが盛んになっています。
「ちゅらかーぎー」を使う年代や地域
「ちゅらかーぎー」に限ったことではありませんが、令和6年に行われた『県民意識調査』によると次のような事がわかりました。
全体で「よく分かる」「少しわかる」と答えた人は合わせて63.7%と半数以上でしたが、そのうち70代が91.9%を占めており、若い人は沖縄方言をあまり知らない人が多い事がわかりました。
また住んでる地域によっても違いがあり、都市の多い南部や中部で方言が少なくなっており、反対に伝統的な暮らしが残っている北部では方言が話されているようです。
「ちゅらかーぎー」が使われている映画やドラマのタイトルやシーン
NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」より引用
「ちゅらかーぎー」を使った有名なエピソードとして、NHKの朝の連続テレビ小説「ちむどんどん」の42話での使用が挙げられます。
ドラマで主人公の暢子が立て直しに奮闘するおでん屋で、兄の賢秀と和彦が再開する場面で、賢秀は和彦と一緒にいた大野という女性をみて「ちゅらかーぎーだなぁ」と思わず口にするシーンがあります。
このシーンにより、「ちゅらかーぎー」という言葉が全国的に知られるきっかけになりました。
「ちゅらかーぎー」は店名などにも使われている
「ちゅらかーぎー」は沖縄方言の中でも比較的知名度が高い方でお店やお土産などいろいろなところで使われています。
その中のいくつかをご紹介していきます
お店の名前で使われている事例
まず、1つ目はお店で使われている例です。
こちらのお店は那覇市久茂地にある「沖縄んDININGちゅらか〜ぎ〜」という居酒屋です。
こちらのお店は沖縄料理を中心としたメニュー構成で、すべて手作りの本場沖縄料理を提供します。
最大45名までの広々とした宴会スペースがあり、もちろん個室もありますからいろいろな場面で使えます。下にお店の情報のリンクを貼っておきますから気になったら一度訪ねてみてはいかがでしょう。
「沖縄んDININGちゅらか〜ぎ〜」
沖縄県那覇市久茂地3-11-2
https://www.churaguru.net/shop/freeplan.aspx?shop_id=churakagii
お土産で使われている事例
「ちゅらかーぎー」を使ったお土産ではこちら、その名のとおり「ちゅらかーぎーセット」というスキンケア商品です。こちらは自宅で手軽にくちゃパックが楽しめる内容となっております。
沖縄特産のミネラルを豊富に含んだくちゃ(泥パック成分)を使用しており、毛穴をきれいにすることができる商品となっております。
内容は以下のとおりです。
・月桃ハイドロゾル(100g)
・沖縄産くちゃ(50g)
・くちゃパックの作り方説明書
以上が入って販売価格¥3,300(税込み)です。
沖縄に旅行に行った際はぜひ女性に買って「ちゅらかーぎー」をめざしてもらいましょう。
「ちゅらかーぎー」にまつわるエピソード
NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」より引用
「ちゅらかーぎー」というわけではありませんが、関連する「ちゅら」については2001年にNHK朝の連続小説「ちゅらさん」で「ちゅら」という言葉が広く親しまれることとなりました。
この番組の主人公を演じた国仲涼子さんは「ちゅらかーぎー」と評価されています。
「ちゅらさん」の放送をきっかけに、沖縄では「ちゅらさん運動」という犯罪のないまちづくりのための活動が2003年から始まり、現在も続いています。
このエピソードは、「ちゅらかーぎー」や関連する沖縄の言葉が、全国に普及し、文化的な影響を与えた例として注目されています。
まとめ
ここまで、「ちゅらかーぎー」に関してお話してきました。
「ちゅらかーぎー」はドラマなどにより比較的知名度の高い単語でしたが、まだまだ沖縄方言は衰退しています。
沖縄県は今、沖縄方言を復興する運動をしています。わたしたちに今できることは何かを考え、これからも沖縄方言を見守っていきたいと思います。